ABEMA NEWS(アベマ・ニュース)に「ヒカリ」さんという性別を再変更した女性が登場しました。
彼女は、生まれた時は女性でしたが、女性に対してネガティブなイメージを持って成長しました。
20代になって「体は女性、性自認は男性」というトランスジェンダーと出会い、女性として生きにくさを感じていたヒカリさんは「治療をすれば男性として暮らせるかな」と感じたと言います。それからホルモン療法を開始し、性同一性障害の診断を受けて子宮なども摘出。戸籍上の性別を男性に変更しました。
しかし、性別を変更した結果は「喜び」よりも「違和感」が上回り、現在は性別を再変更。女性として生活しています。しかし、好きな人ができても、その人の子供を産むことはできません。また、ホルモン治療の影響で声も低いままなので、女子トイレでは「男性」と間違われないために、声を出さないようにしているといいます。
(以上、ABEMA TIMESの記事 ※1 の要約)
記事の文中では、米国では性別変更の後に再変更するケースが8%にのぼるとも紹介されていました。非常に深刻な事実ではないでしょうか。
現在の日本でも、性別違和を訴える子供に対しては、全面的に受け入れてあげようという考え方が目立ちます。ただ実際には、子供の性別違和はその多くが思春期以降に解消することが明らかになっています(※2)。また、思春期以降に性別違和を訴える若者が急増しており、一部では教育やSNSなどの影響も指摘されています(英国では相談件数が10年で40倍という報告も)。
ヒカリさんも、トランスジェンダーとの出会いで、自分の生きづらさを「性別違和」の故だと思い込んでしまいました。実は、英国で同様の経過をたどった「ケール」さんという女の子も、Wikipediaで「トランスジェンダー」の項目を読んだことが引き金となりました。もともと両親の離婚などで生きづらさを抱え、自傷行為もしていた彼女は、自分の生きづらさの原因が「間違って女性の体に生まれてしまったから」だと誤認してしまったのです。(※3)
トランスジェンダーという言葉が一般化するにつれ、ヒカリさんやケールさんのように生きづらさの原因を「性別違和」と誤認するケースが増えることも懸念されます。親や教師など周囲の大人たちも、「性別違和」を訴える子供達にも上記のようなケースがあることを踏まえ、安易にホルモン治療など性別移行を進めるのではなく、慎重に対応することが必要でしょう。
【参考記事】
※1「子どもが産めず、声の低い身体に…性別を“再変更”した当事者の思い『性同一性障害特例法』『性自認』をめぐる課題を考える」ABEMA TIMES(2020年10月17日)
※2「トランスセクシュアル、トランスジェンダー、ジェンダーに非同調な人々のためのケア基準(第7版)」2011年、世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会(WPATH)発行
※3 Anita Singh. “Trans Kids: It’s Time to Talk, review: a compassionate, if divisive, addition to the debate” The Telegraph 21 NOVEMBER 2018
0コメント