言論統制は当事者のためにもならない

2018年10月、英紙『ガーディアン』に心理学、社会学、公衆衛生など様々な専門性を持つ50名もの学者が連名で政府当局に対する公開書簡を発表しました。彼らは何を訴えたのでしょうか?


彼らは、トランスジェンダーに関する研究において様々な嫌がらせを受けてきたと主張しています。具体的には「キャンパスでの抗議行動」「マスメディアを通じた解雇の呼びかけ」「研究や出版内容の検閲」などが挙げられています。

今回、声を挙げた学者たちは、当事者のためにも、こうした研究が自由に行われるべきだと考えています。実際に、トランスジェンダーや性別違和については、原因や適切な対処法など、わからないことがまだまだ多いのが実情だからです。


英国精神分析協会の前会長であるデービッド・ベル博士もその点を指摘しました。性別違和は「多くの因果経路を伴う非常に複雑な問題」なのに、彼らに提供されるサービスや対処法は「有害な単純化に向かう傾向」がある。さらに、それ(ホルモン治療や性転換手術が引き起こす「取り戻せない深刻なダメージ」に対する注意も不十分だというのです。


学問の自由、言論の自由を守り、研究の多様性を確保することは、当事者にとっての最善を追求するうえでも非常に重要だと考えます。


【参考記事】

“Academics are being harassed over their research into transgender issues”.

 The Guardian. 16 Oct, 2018

Camilla Turner, Ewan Somerville. “Transgender children who are medically treated risk 'serious and irreversible damage', leading psychiatrist warns”.

  The Telegraph. 4 SEPTEMBER, 2019

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